ヌーヌ初ライブはタワレコでの不思議な料理ショーだった…
「ライブ観にきてるんだったら バンドやったらいいじゃん〜この三人で」
と毎夜、毎夜、通っていた難波ベアーズで言われたのが
ヌーヌのはじまり。
☆
そんな無謀な提案をしてきたのは
もう、社会人になって5年目にさしかかっている頃で
「バンドやろうぜ」なんて気分が微塵もなかった。
中二で「音楽をやる」はゴミ箱にまるめて捨てていた。
うちの妹は全国大会に行くくらいのピアノの腕で
なにを聴いても即完コピれるセンスのいい耳をもっている。
わたしの方が先にやっていたピアノ。
どんどん、我が妹に追い越され、挫折につぐ挫折。
音楽をやる人ってのは〜そういう神がかった人だ…と
敗北感とともに「あきらめの夏 BY研ナオコ」な結末だった。
だからだから
吉村さんのライトトーンのその言葉に
「え? なに言ってんの」と面食らった。
でも、でもね…
目の前では…昨日のブログでアップしたライナーノーツ
にも書かれていた、通常の音楽の概念をぶった斬る
めたくそな音楽が繰り広げられていたわけで…。
そうか…クラシックはムリだったけど
こっちなら行けるのか?
しか〜し…こんなに狂えないよ〜って
ガクガクブルブル〜。
そんな本心とは裏腹に
ケロちゃんとマルちゃんと一緒にキャピキャピかしましく
ノリでやることになったんだっけ。
記憶は曖昧なんだけどね。
ハッと気づくと、わたしはヌーヌマシーンと今は呼ばれる
定価4万する「カシオDJ1」を9800円で買い
そのマシーンを使って、三人+うちで飼っていた犬のダンの
声を録音したコラージュ作品のようなもんを引っさげ
心斎橋タワーレコードでライブすることになってしまった。
☆
まだ、三人とも楽器をもたず
もたされたのは
◆コック帽
◆フライパン
◆フライパン返し
◆録音したカセット
だった。
☆
ステージの上に置かれた机にそれらを置き
司会の保山宗明玉(元モダンチョキチョキズ)にあやつられるがまま
自分たちのカセットのテープの部分をパスタに見立てた
ザッツ キテレツな 料理ショー。
やるのもはじめて
みるのもはじめてな代物だった。
不思議な空気のあふれる中〜
なんと、ショーの後
初リリースしたテープは完売!
☆
アホ過ぎるくらいアホなショー。
まさか、こんな大人になるとは〜。
奈良の田舎もんのわたしには
奇想天外な人生の幕開けであり
まだ、楽器を持たない「ヌーヌ」の
スタートでもあった。
つづく…